独学による知性の獲得が「これからを生き抜く力」を高める
「intelligence=知性」とは、「学びながら少し
ずつ身につけて行くことによって、物事を
間違わずに選択でき、かつ、その選択の理由
を明確に人に説明することができる力」。
そして、ここで思い出す必要があるのは冒頭
で触れた「矢」ということば。
その背後には儒教に基づく考えが隠されて
いて、それが「中庸(ちゅうよう)」という
教えです。
なんのために「知性」を身につけるのか、
その目的は人によって違うでしょう。
しかし独学、あるいは独学で身につける
「知性」の最終目的は、「正しく、楽しく、
明るく、満足した思いで生き抜く力」を
つけるためです。
「中庸」という言葉の、「中」という漢字に
ついて説明します。
「中」は反時計回りにすると、四角い
「的」の真ん中に、「矢」が一本突き刺さっ
ている形に見えます。
この漢字の姿は「知」の字と同じく、
「中」は「矢」が一本、的に当たった形で
書かれています。
また、「中庸」の「庸」は、「常」とい同じ
意味であると言われています。
すなわち、「中庸」とは、「常に、どんな
ときでも、放った矢が的の真ん中に
当たる」ことを表しています。
では、なにに向かって矢を放つので
しょうか?
「よりよく、生き抜くため」にもっとも
大切なことである「人の心」です。
どんな分野の勉強をするにしても、
最後は「人の心」を知ること、
またそれを明確に間違いなく理解する
ことこそがもっとも重要な課題です。
知性という「矢」は、人の心を射て、
人心を得ることに使われるもの。
つまり独学による知性の磨き方、
あるいは知性の獲得は、禅のような
「心引き締まる喜び」と、「自分と格闘
して手に入れる深い自由への飛翔」に
満ちています。
参考図書:『自分一人で学び、極める。』
(山口謠司著、フォレスト出版)
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