反論しても得はしない
相手が攻撃してくるとしたら、その対象と
なるのはこちらの論理か、もしくは個人的
問題かのどちらかだということになるで
しょう。
そして攻撃されれば、私たちはつい反論した
くなるものです。
「最初に仕掛けてきたのは向こうなんだから」
と無意識のうちに考え、つい感情的になって
しまったりするわけです。
しかし、反撃が功を奏することは滅多にあり
ません。
なぜなら反論された相手は、態度をいっそう
硬化させてしまう場合がほとんどだからです。
第一、仮にその小競り合いに勝てたとしても、
結局は負けたも同然。
そのころにはすでに、相手との関係は修復
不可能なほどのダメージを受けてしまって
いるからです。
さらにいえば、そうやって感情的になるより
も大切なことがあります。
ひどく腹をたてているときに口を開いても、
ろくなことにはなりません。
したがって、相手のことばに反応しない
ほうがいいという考え方です。
しかも感情は、少し時間を置かなければ
もとには戻らないものでもあります。
そこで、交渉の場で怒りを感じたとき
には、深呼吸をして10まで数を数えて
みる。
それでも怒りが収まらなければ、100まで
数える。
そうすれば、脳はまた冷静な判断ができる
状態に戻るというわけです。
そうしているうちに、交渉相手にも冷静さ
が戻り、怒りもおさまっているはずだと
いうわけです。
参考図書:『望み通りの返事を引き出す
ドイツ式交渉術』
(ジャック・ナシャー 著、早川書房)
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