部下には仕事をどんどん任せる
「組織はリーダーの力量以上にならない」と
いうことばがありますが、これを誤って解釈
している人がたくさんいます。
「力量」を「能力」と勘違いし、すべての面
においてリーダーが部下よりも優秀でなけれ
ばならないと思っています。
しかし、そもそもリーダーと部下とでは、
果たすべき役割が違います。
たとえば営業の仕事なら、部下は常日頃
からお客様と接しているため情報を
持っています。
ところがリーダーは、部下と同じように
現場に出ているわけではありません。
つまり、部下のほうがリーダーよりも
多くの情報や知識を持っているわけです。
なのにリーダーが対抗意識を持って、
部下と同じように現場の仕事に取り組ん
でしまうと、当然のことながらリーダー
が本来やるべき仕事ができなくなって
しまいます。
現場に介入しすぎて部下の仕事を奪ったり、
やり方を細かく指示するようになる可能性も
考えられます。
すると部下は、仕事をしづらくなります。
人は「指示されたとおりにやる」よりも、
「自分で考えてやる」ほうがモチベーション
は上がるものです。
だからこそ、仕事や権限は部下にどんどん
配分すべきです。
部下の自主性に任せて権限移譲(エンパワ
ーメント)をすることにより、部下も成長
できるわけです。
もちろん、最初は失敗することもあるで
しょう。
しかし、まずは部下に「失敗するチャンス」
を与えることが大切です。
部下に成長してほしいという思いがある
なら、自分の持っている情報やリソース、
権限を与え、部下が自分で考えた方法で
やらせるべきです。
それこそが、「部下(人)を育てる」と
いうことです。
逆にいえば、いつまでも「自分が」に
こだわり続ける人は、この能力を発揮
できず、やがては停滞や自己欺瞞に陥って
しまっています。
参考図書:『部下に9割任せる!』
(吉田幸弘著、フォレスト出版)
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