愉快な人生を生きるために~知識を知恵に~

経営や仕事への取り組み・社会心理学・生活の智慧に関する考え方、思い、提言をお伝えします

強い心を持つ:「他人に反応しない」技術(その2)

前回は、承認欲求についてまとめて
みました。
今回は、ムダな反応をしないポイント
について所感・考察をまとめてみます。

・悩みを生む「ムダな反応」して
いないか

ブッダの考え方の特色は、「肯定」も
「否定」もしないこと。

「なるべく良し悪しを判断しない」
という発想
に立ちます。

いいとか悪いとか、勝ち負けや優劣を
作り出すのは、人間の「判断」
だからです。

判断によって優越感をもつことも
あれば、コンプレックスに悩むことも
あります。


「判断こそが悩みを生んでいる」と
理解して、「ならば、ムダな判断は
しない」という「考え方」に
立っています。


もうひとつの特色は
、「何をめざすかは人それぞれ、
目的は個人が選んでいい」という
オープンな立場に立つことです。

「承認欲」だって否定する必要は
ありません。

仕事・勉強で認められることを
めざすのもよし。
「認められることに大して意味は
ない」と割り切って、自分の道を
進むもよし―この発想の自由さが、
目覚めた人ブッダの特色だと思います。

大切なのは、「悩み」が出てきたとき
なのです。

実際、私たちの日常は「悩み」に
満ちています。

仕事の成果・評価に舞い上がったり、
落ち込んだり。
周囲と比べて「負けるものか」と
張り合ったり、嫉妬やコンプレックス
を感じたり。

気を紛らわせたくて開いたSNS
「いいね!」や「フォロワー数」に
一喜一憂したり、「既読スルー」に
胸をザワつかせたり…。

こうした「悩み」はどれも、
「ムダな反応」といってよいでしょう。

本当は誰もが「動揺しない、
反応しない、タフでクールな自分で
いたい」と願っている。


現実には、仕事、他人の評価、
ネットやメディアにあふれる情報に
「つい反応」して、ストレスや
虚しさを感じて疲れている―
それが多くの人の「リアル」では
ないかと思います。


こうした悩み・空しさから脱出
しようと思えば、
「もう、ムダな反応をしない!」と
決心するしかありません。

「心の状態を理解する」という
心がけ―“瞑想タイム”のススメです。

まずは、デスクの前でも、電車の中
でも、目を閉じて「心を見つめる」
時間を作ります。

そして、「怒り」を感じている
ときは、胸の あたりを見つめて
「怒りが湧いている、怒りが
ある」と、冷静に理解するようにする。

仕事で大きなミスをしてしまって、
かなり動揺したときには、
「動揺しているな、落ち込んでいるな」
とありのままに理解します。

大事なのは、このとき「腹を立てては
いけない」とか「動揺してはいけない」
と「否定」しないことです。

そのために、アタマの中で
「怒りがある」「動揺している」と
客観的に“言葉で”確かめる
 と
よいようです。

こうして、「心の反応を理解する」に
とどめて「それ以上に反応しない」
ように心がける。

また、「カラダの感覚」に意識を
向けることは、ムダな反応を洗い流す
効果テキメンの方法です。

お寺の「座禅」の正体はまさにコレだ
と思います。

 

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・「その悪口は、あなたが持って
帰ってください」


エピソードとして、ブッダ
「悟った人」としてどんどん有名に
なっていきました。

そのことにジェラシーを感じる
宗教家も大勢いたのです。

そんなひとりがある日、ブッダ
ところに行って、非難中傷・悪口の
言葉をこれでもかと投げつけました。

普通なら「何を言うか」とムキに
なって口論が始まるところです。

気弱な人なら相手の言葉に傷ついたり
落ち込んだりするかもしれません。

ですが、ブッダは反応しません。
感情を上げもせず、下げもせず、
“超クール”にこう返したのです。

「あなたが家で客人に差し出した
食事を、もしその客人が食べなければ、
その食事は結局あなたのものになる
だろう。それと同じように、私は
あなたが差し出した悪口を
受け取らない(食べない)。
その悪口は、差し出したあなたの
ものだ。そのまま持って帰るがよい」

ブッダの意図は「ムダに反応せず、
心をクリアに保つことが何より
大事なこと、だから何を言われても
反応しない」
ことにあります。

「相手を打ち負かす」ことより
「相手に反応しない」ことが最高の
勝利と考えたのです。

ムダに反応しない。心をクリアに
保つ―これは、現代に求められる
メンタルタフネス(心の強さ)の基本
でもあります。


勝負強い人、ここ一番で成果を
上げられる人は、こういう心の状態に
あります。

逆に、メンタルが弱い
(すぐ動揺する・気が散ってしまう)
人は、小さなことについ反応して
しまっていると思われます。

いわばビジネスの現場で求められる
さまざまな能力の「土台」となるのが、
「ムダに反応しない、クリアな心」です。

メンタルを強くしたいなら、心の
エキスパートであるブッダに学ばない
手はありません。