新たな思考様式を身に付ける4つのポイント
思考モデルとは、周囲の世界を(多くは 無意識的に)理解する方法です。
それは私たちが何を見るか、または 見ないかを決定し、原因と結果とを 結びつけるものです。
たとえば、問題解決における典型的な 思考モデルは、「何をすべきか」を 探すように働く―― 「どう考えるべきか」ではなく。
思考モデルは、目的地への行き方を 教えてくれるGPSの地図のような ものです。
周囲の状況に変化がない時には、新たな 目的地を入力すれば進むべき道が 示されます。
だが地形が変わってしまうと、思考の 地図は古くなる。
そうして誤った道を曲がり、迷ったり 途方にくれたりします。
習慣化に関する研究によれば、新たな 行動様式を身に付けるうえでカギと なるのは、適切な誘因をつくり、 小さなステップを踏むことです。
同じことは思考の習慣にも当てはまり ます。
[caption id="attachment_627" align="alignnone" width="640"] Tensed businessman thinking about his problems[/caption]
1.誰かが問題を提起した時、すぐに 「どうしよう?」 (自分たちはどうすべきだろう) と応じがちであることに注意したい。
そうではなく、 「どう考えるべきだろう?」と 問いかけてみよう。 問題を発生させたのと同じ思考法で、 問題を解決しようとしていない だろうか。
相手が自動車について説明している のに、「ああ、馬のいない馬車の ようなものだね」などと考えていない だろうか。
2.何かの活動を率いて運営する 際には、全員の足並みが行動面で そろっているか以前に、思考面で そろっているかを確認しよう。
全員が同じ言葉を用いているからと いって、同じ思考モデルを共有して いることにはならない。 たとえば、誰かが「ブランド」と 言った時、それはロゴを指している のか、それとも評判あるいは体験を 意味しているのだろうか。
3.他社の成功体験について知った時、 その「やっていること」を単に真似 するのではなく、その根底にある 「考え方」をつぶさに検討しよう。 「○○界のウーバー」として成功する うえでカギとなるのは、アプリで操作 可能な何かの配達サービスをつくる ことではなく、プラットフォームという 考え方を採り入れることである。
4.意思決定の際には、 「ベストプラクティス」に 頼りすぎないよう注意してほしい。
ベストプラクティスとはそもそもが、 過去の思考モデルから生まれたツール やアプローチです。
その代わりに、 「ネクストプラクティス」に目を向ける。 成功事例の背後にある思考を分解し、 その原理を自らの状況に適用する。 時代遅れになる恐怖は、現実的かつ当然の 心理です。
時代遅れになるのは人間そのものではなく、 人間の思考モデルです。
私たちは学習によって考え方を変えること、 新たな思考習慣を身につけることが できます。 思考モデルを更新することで、再起力と 心の余裕が生まれ、時流に対する自身の 妥当性(レレバンス)を高めやすく なります。 そうなればソーシャルメディアをチェック する時間も増え、大事な何かを取り逃す ことはなくなるだろうと思います。