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社員を育てるときパワハラにならないか心配…

人を育てるには「方便」が必要です。

 

「方便」という言葉によいイメージはない かもしれませんが、『広辞苑』(第五版) には「目的のために利用する便宜の手段」 とあり、用例として「嘘も方便」が登場 しています。

 

ところが仏教用語としての「方便」は少し 違い、同じ『広辞苑』には衆生を教え 導く巧みな手段」と書かれていて、 「仏が巧みに工夫して衆生を導く智慧の力」 として「方便力」が掲載されています。

 

では、ビジネスの場で、この「方便」を どのように使えばいいのでしょうか?

 

経営者、特に中小企業の創業経営者のなか には、なんでも自分でやってしまう “習性”を持っている人がいます。

 

人に教えている暇があったら、自分で やったほうが効率もよく、ストレスも たまらないと考えるからかもしれません。

 

ところが組織が大きくなってくると、 人を育てることも、社長を筆頭とする リーダーの役割になってきます。

 

そんなとき、「方便」が役に立ちます。

 

お釈迦さまは、大きな悩みがあって 感情的になったり判断不能になったり している人に説法するとき、ニコッと 笑って「大丈夫ですよ」と伝えてから 始めたと言われています。

 

つまり、この「大丈夫ですよ」こそが 「方便」。そこには温かい真心がある わけで、悪意ある「嘘も方便」と はまったく違います。

 

ビジネスの世界に置き換えるなら、 「嘘も方便」は人を叱るためではなく、 ほめるために使いましょうということ。

 

社員の気持ちが温かくなるような 「嘘も方便」であるべきです。

 

そもそも人は、ほめることで育って くれるものです。

 

人を育てるとき、そのプロセスに おいては叱りつけたり厳しく指導する ことも必要になるでしょうが、 最終的には「どうほめるか」が大事です。

 

 

「方便」を巧みに操れるようになるには 人間的な成熟が必要で、時間も それなりに必要です。

 

つまり若手の創業者やリーダーにとって、 「方言」は“ゆくゆく”のテーマなのかも しれません。

 

では、「いま」人を育てるためにすべき ことはなんなのでしょうか?

 

組織で人が育つためには、社内の就業 環境も重要になります。

 

しかし中小企業やベンチャー企業には、 人事評価制度が構築されていない会社が 少なからずあるのも事実です。

 

そのような会社では、社長の一存で 給与が決められてしまう場合もあります。

 

また、もらってみるまで給与の額が わからなかったり、突然の減俸なども 日常茶飯事かもしれません。

 

しかし社員からすれば、それはたまった ものではありません。

 

社長に気に入られるかどうかで自分の 人生が左右されるなら、恐怖感が先立ち、 自分の成長は二の次になってしまいます。

 

またそれ以前に。そういう会社に長く いようとは思わないはずです。

 

一方、大手企業には評価の仕組みがあり、 いい上司がいて、組合があって、 最低限の雇用レベルも保証されています。

 

社員の側からすれば、安心して働ける 環境が整っているわけです。

 

大手企業に優秀な社員、しっかり成長 した社員が多いのは、数の問題だけでは なく、整った就業環境のおかげでもある わけです。

 

そして今後、超売り手市場になれば なるほど、安心して働ける就業環境が 魅力のひとつになるはずです。

 

そのため中小企業やベンチャー企業では 少なくとも、給与やその他の待遇を先に 明示し、緻密に査定していくことが必要 になります。

 

それが社員に対しての誠意であり、人が 成長していく下地になります。

 

参考文献:『「他力本願」マネジメント』 (浅野弘毅、髙橋恭介著、アスコム

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

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