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マインドフルネスは脳を健全に保つ

ビジネスの世界では、マインドフルネス がもてはやされています。

しかし、その効果は単なる評判ではなく 自然科学の裏づけがある、 と知っている人は多くないかも しれません。

近年の研究結果からは、主観的な判断を せず意識を「いまこの時」に集中させる こと(すなわちマインドフルネス)に よって、脳に変化が生じるという強力な 科学的根拠が得られています。 これはすべてのリーダーはもちろんの こと、今日の複雑なビジネス環境で 働く誰もが知っておくべき事実です。

焦点を当てたい脳の領域は、海馬です。 大脳辺縁系――情動と記憶に関わる 脳内構造物の総称――の一部であり、 側頭葉の内側にあります。

海馬には、ストレスホルモンの1つで あるコルチゾールと結合する受容体が あるため、慢性的なストレスによって ダメージを受ける恐れがあり、 体内で悪循環を引き起こす原因と なり得ます。

実際、うつ病PTSDのようなストレス 関連の障害を患っている人には、 海馬の萎縮が見られるとのこと。 海馬がレジリエンス (逆境から再起する力)に深く関わる 部位であることを示しています。 レジリエンスは、現在の厳しい ビジネス環境においてカギとなる 能力の1つです。 20150812_blog3_Mindfulness-thumb-640x360-54000

マインドフルネスを実践すると、 知覚、身体感覚、疼痛耐性、情動制御、 内省、複雑な思考、そして自己意識に 関わる脳部位に変化を生じさせる ことも、神経科学者らは明らかに しています。

長期的な変化を実証して根本的な メカニズムを解明するには、さらなる 研究が必要ですが、これまでの一連の 根拠には非常に説得力があります。

いまやマインドフルネスは、企業の リーダーにとって望ましいのではなく 必須であると思われます。

脳を健全に保ち、自己制御と意思決定 能力を支え、有害なストレスから 自分自身を守るための方法です。 メンタル・トレーニングとして実践 してもよいし、宗教や精神生活の 一環として取り入れてもよい。

腰を下ろし、しっかり呼吸し、 「いまこの時」にただ集中すること で変化が期待できます。 これを集団で行えば、効果はより 顕著になるかもしれません。