AI時代に想定される「能力の急速な陳腐化」
「職業人として、仕事で優れた業績を上げ、
周囲から高い評価を得たいのであれば、
自身の職業人としての能力を高め、磨いて
いかなければならない」。
そのような考え方は昔から、常識であると
されてきました。
たしかにひと昔前であれば、それは事実
だったかもしれません。
若い修行の時代を通じて能力を身につけ
れば、その能力を活用することによって、
生涯にわたり仕事を続けることができた
からです。
いわゆる「一生、飯が食える」状態になれ
たということ。
「過去七年の変化が、一年で起こる」、
もしくは、「過去の一八年の変化が、一年
で起こる」と言われるように、社会や
市場、産業や職業の変化が激しくなって
いる時代です。
そのため、若い修行の時代に苦労して
身につけた仕事の能力も、その社会や
市場、産業や職業の変化に伴って、
急速に陳腐化してしまうため、誰といえ
ども、常に新たな能力を身につけ、磨い
ていかなければならなくなっています。
そして、この問題をさらに切実なものにして
いるのが、「人生、百年時代」と呼ばれる変化。
もちろん人間としての寿命が長くなることは
喜ばしいことですが、誰にも百歳近くまでの
人生が与えられるようになるとすれば、
ひとつの人生のなかで、職業そのものも何度
か変えることになる可能性も出てくるわけ
です。
すると、そうした変化に伴い、生涯を通じて
新たな能力を身につけ、磨き続けていくこと
が求められるようになるということ。
すなわちそれが「能力の急速な陳腐化」の意味
するところであり、「能力を磨く」ことが求め
られます。
参考図書:『能力を磨く AI時代に活躍する
人材「3つの能力」』
(田坂広志 著、日本実業出版社)
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