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ダブルタスキング

忙しい日には、電話会議をしながら メールを書いたり、会議の最中に 次の会議のために考えをまとめたり、 2つの書類を同時平行で作成したり、 メモを書きながら夜の予定を考え たり……といったことが起こります。

 

しかし2つかそれ以上のことを同時に こなそうとすること、 すなわちダブルタスキングは、 生産性のエンジンに無理がかかって 圧迫された状態になっている証拠です。

 

というのも脳科学の研究から、人間が ほんとうに能力を発揮できるのは、 1つのことに集中した場合であることが 示されているそうなのです(しかも 男女差はなし)。

 

複数のことに注意を振り分けることも できそうに思えても、潜在的な能力 までフルに解き放つ無意識的な力が 働かなくなってしまうということ。

 

周囲の環境、音、景色、感覚、におい、 味など、人間は表層意識の下で さまざまなことを感じ取っています。

 

そうした知覚によって、その時々の 状況をつかむ能力が研ぎ澄まされる わけです。

 

さらに脳が、そうした近くのデータに 合致するファイルや情報を取り出す ことになります。

 

しかも同時に、直感的に創造する 意識下の能力も働くことになります。

 

逆にいえば、このような回路を ふさいでしまうと、ミスをしたり、 能率が落ちたりすることになるわけ です。

 

たとえばメッセージのニュアンスを 読み取れなかったり、不覚をとったり、 コミュニケーション(感じ取ること、 聞くこと、話すこと)の能力が低下 するなど。

 

そんなときは、次の3段階のステップを 試してみるといいそうです。

ステップ1:ダブルタスキングをやめる。 端的に、やる価値がない。

自分のベストな状態になれず、 絶対に生産性の向上という 結果になることはない。

 

ステップ2:自分がダブルタスキングを していることに気づいた場合には、 自分自身を笑う。 自分を責めるよりも、はるかに前向きな出発点に なる。

そして、どちらの仕事を先に するかを決める。 もう一方の仕事は手放し、 すぐに集中して取りかかる。

 

ステップ3:ダブルタスキングの衝動に 駆られるのは、一時停止する べきであることを示すサイン。

5分間休憩を取り、先の 「一時停止」の手順を踏んでから、 また仕事に戻る。 次の2時間か3時間の予定を見て、 もう一方の仕事を片付けるのに 必要な時間を削り出す。

 

ダブルタスキングによって2倍の力が発揮 されることはなく、おそらく半々に 振り分けられるだけです。

 

だからこそ、1つの仕事に集中することの ゆとりと解放感を楽しむ。

 

ベストな状態になることをできるだけ 増やし、「仕事は一度に1つ」という ステップで進めていくことが大切です。

 

参考文献:『頭と仕事をシンプルにする 思考整理50のアイディア』(サイモン・タイラー著、 斉藤裕一訳、CCCメディアハウス)

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

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