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返報性:「貸し」をつくるのは効果的

定義▶︎お返しをしないと気持ち悪いと感じるバイアス

人間は、他人に借りのある状態を好ましく思わず、それを解消したいという心理が強く働くもの。

心理学者ロバート・B・チャルディーニの有名な著書『影響力の武器』でも、この心理は最も強く、抗しがたい心理メカニズムであるとされています。

そして実際にこの心理を用いたテクニックが、セールスや交渉術、組織行動学の書籍などでよく紹介されているのだそうです。

たとえば、将来的に誰かからのリターンを期待するなら、日々少しずつでもいいので何かしらの「貸し」を作っておくと効果的です。

ここでは、貸し借りの「精算」は、必ずしもその大きさが釣り合っている必要がないということが1つのポイントです。

場合によっては、ちょっとした相手に対するサポートが、その数倍になって返ってくることもあるのです。

なお、返報性のより厄介な特性は、実際には借りがなくても、「借りがある」と感じてさえいれば「お返しをしなくてはいけない心理」が働くこと。

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例を挙げましょう。

Aさんが働きを認められて昇進したとき、先輩のBさんが「僕も上司にAさんのことを推薦しておいたから」などと言えば、それが嘘であったとしても
Aさんは恩義を感じ、「いつかこの借りを返さなければいけない」と感じてしまうわけです。

架空の障害をでっちあげ、「私が話をつけておいたから」などというのも同様。

また、交渉術の教科書に出てくる「ドア・イン・ザ・フェイス」というテクニックもあります。

いったん過大な要求をし、拒否されたら、より妥当な(本来期待する落としどころに近い)要求を出しそれを認めさせるというもの。

その例として挙げられているのが、以下のやりとりです。

売り手「この中古車は有料なものですから、売価は500万円といったところでしょうか」 買い手「それは無理ですよ」売り手「では清水の舞台から飛び降りた
つもりで400万円でどうでしょう」 買い手「(大幅に値引きしてくれたことだし、まあいいか)」 売り手「(これは期待通りの価格で売れそうだ)」

つまり、実際には「400万円」は適正な価格ではないわけです。

しかし、こういうやりとりをすれば、買い手は「500万円から大幅に値下げしてくれた」ことに借りを感じ「購買という形で応えなくてはいけない」と錯覚してしまいます。

 

参考書籍:『MBA 心理戦術101 なぜ「できる人」の言うことを聞いてしまうのか』
グロービス 著、嶋田 毅 執筆、文藝春秋

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