「風呂敷畳み人」とはどのような人か…?
仮に「突飛なアイデア」という大風呂敷を広げる経営者やリーダーを「広げ人」とするなら、定義したい「畳み人」は仕事のアイデアを形にし、着実に実行に移す仕事人のこと。
リーダーに対する「名参謀」や「右腕」のような存在だといいます。
広げ人が仕事のアイデアをゼロから生み出す「0→1」の人なら、畳み人の仕事はその1を10や100にすること。
会社のポジションで言えば、CEOが広げ人でCOO(Chief Operating Officer)が畳み人。
あるいは会社内の新規事業であれば、プロジェクトリーダーが広げ人で、それをサポートして現場メンバーとリーダーをつなぐNo.2のポジションが「畳み人」というイメージです。
社長やプロジェクトリーダーである広げ人のいちばん近くで一緒にアイデアを組み立て、実行するための戦略を練り、チームを組成して育て、社内外の根回しもし、その事業全体を牽引して成功に導く役割。
世間的には「アイデアを出した人がすばらしい」と、広げ人ばかりが評価されがち。
しかし、広げ人以上に、アイデアをきちんと実行させられる畳み人を評価しているのだといいます。
有名なアメリカの経営学者であるピーター・ドラッカーもこう言っています。
“Strategy is a commodity, execution in an art.”
(戦略はコモディティであり、実行こそアートである)
仕事においてアイデアや戦略は消費されるコモディティ(日用品)のようなものですが、それを実行することはアートのように価値があるとドラッカーは言っています。
この言葉を借りると、本来の意味で仕事の進化が問われるのは、「アイデアや戦略をいかに実現するか」ということ。
アイデアは実行されてこそ意味を持ち、ビジネスでの大きなポイントになるのです。
そういう意味でも、アイデアを実行に移す「畳み人」はビジネスに欠かせない存在であるということ。
また、そのビジネスを「畳む技術」も、多くの現場に求められる重要なスキルだといいます。
畳む技術を身につけることは、バランスの良い仕事の筋力をつくること。
筋力があれば、仕事を行ううえで多くのチャンスをものにできるわけです。
参考書籍:『「畳み人」という選択 「本当にやりたいこと」ができるようになる働き方の教科書』
(設楽悠介 著、プレジデント社)
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