文句を言わずに黙々とやる人が信頼される
「4年制の大学を出たのに、コピー取りとお茶汲みしかやらせてもらえません。本当はもっとちゃんとした仕事をしたいのだけれど、上司に言ってもまったく取り合ってくれないのです。頭にきて、この会社を辞めようかと思うのですが、どう思いますか?」
私がもし上司だったら、コピー取りやお茶汲みさえもちゃんとしない人に、他の責任ある仕事は任せないと思います。
コピー取りとお茶汲みが気に入らない、と言っている人は、どんな仕事を与えても文句を言うかもしれません。
それに、「気に入る仕事」と「気に入らない仕事」とを部下が選り分けていたとすると、上司は仕事を頼みにくくなってしまうでしょう。
好き嫌いを言っている間は任せられないので、責任のない仕事しかやってもらわない、ということになる可能性があるわけです。
しかし、なにをやっても自分の責任で、黙々とずっとやっている人、与えられたことをじっとやっている人だったとしたら、上司は信用するはず。
このことに関連して、帝国ホテルの料理長を26年間務め、最終的に重役になった村上信夫さんのことを引き合いに出すと…。
10代で帝国ホテルの厨房に入ってから3年間、村上さんの仕事は鍋磨きだけで、料理には一切触れることができなかったそうです。
同じ立場にいた人たちの大半が「まったく料理を教えてもらえない」という理由で辞めていくなか、村上さんだけは「日本一の鍋磨きになろう」と決意し、その仕事を続けました。
ちなみに回ってくる鍋には、料理が残っていたとしても、ソースの味がわからないようにするため、あらかじめ洗剤が入れられていたといいます。
しかし、それでも磨き続けた結果、やがて先輩から「きょうの鍋磨きは誰だ?」と聞かれるようになり、「きょうの鍋磨きはムラ(村上さんの愛称)です」という答えが返ってくると、そのときだけは洗剤が入っていない状態で鍋が回ってくるようになったというのです。
そこで村上さんはそれを舐めて隠し味を勉強するようになり、立派な料理人になったわけです。
どんな人も最初は、お試し期間があります。
10代の少年に、初めからチーフを任せるという世界はありません。
でも、この人に鍋磨きという仕事を与えられたときに、鍋磨きをとことん徹底的にすることで、見込まれる。
いま置かれている状況に文句を言わず、黙々とやっていれば、やがてその先に道はできるということです。
参考書籍:『幸せな人は知っている「人生を楽しむ」ための30法則』
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