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経営や仕事への取り組み・社会心理学・生活の智慧に関する考え方、思い、提言をお伝えします

状況が悪人をつくるなら、状況が善人もつくり出す

スタンフォード監獄実験」という
言葉を聞いたことがある人は多いと
思います。

1971年にスタンフォード大学で実施
された社会心理学の実験です。

この実験では架空の刑務所を大学構内
につくり、被験者をアルバイトで
雇います。

彼らを看守役と囚人役にそれぞれ
分け、2週間缶詰にして、役割を
与えられた学生がどのような心理的
変化をするかを検証するものでした。

ところが実験は考案者の想定外の
出来事が続きわずか5日目で中止と
なりました。

理由は、役割として看守を演じていた
学生が、あまりに残忍な行為を
繰り返し、囚人役の学生に甚大な被害
を及ぼす可能性が出てきたからです。

当初の関心は、「囚人役」を与え
られた学生の変化でした。

犯罪を犯したという役割を与えられ
自由を奪われると、人はどのような
行動を起こし、心理的な変化が
見られるか。

ところが実験が始まってすぐに
わかったのは、看守役の変化でした。

権力を手にした学生たちは、
アルバイトとして囚人役を演じている
のに過ぎないのに、アルバイトとして
囚人役を担当しているだけの学生に、
言葉にするのもはばかれるような
残忍な行為を繰り返したのです。

この実験から得られた教訓は、人間は
状況の力やシステムによって、
かように変貌してしまうというもの
です。

個々に着目すると善良な人であっても、
ある状況や場の空気、あるいは組織や
コミュニティの力で、本来やらない
ような醜い行為や言動をする。

このような例は、いまの社会のいたる
ところで見られます。

 

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ブラック企業と言われる居酒屋で、
アルバイトに罵詈雑言を投げかける
店長も、その人の人間性がそうさせる
のか、その人が組織から担った店長と
いう役割がその行動を生み出すのか。

法治社会では問題の責任を最終的には
個人に負わせる仕組みですが、個人を
裁いても本質的な課題はなくならない
ケースがあります。

人の悪い行いに対し、その人が
置かれた環境でどのような状況の
力やシステムがどう作用したのか。
環境をどう変えればいいのか。
これを認識することで、問題解決の
打ち手はさらに広がります。

そこから得られた「人は状況の力に
よって悪魔に変わる」という帰結は、
人間という生き物の弱さを浮き彫り
にする
結果となりました。

しかし、ここから学ぶべきは、
置かれた環境を改善することで、
一人ひとりでは弱い人間の集まりでも、
正しいことを実践する集団や社会に
代わりうるということです。

状況の力を変えることで、人は変わる
ことができる。

組織のリーダー的立場の人は
とりわけ、この状況の力を認識する
ことが大事になります。

さらに言えば、リーダーではなくても
だれもが、自分の属する環境が及ぼす
作用の力を変えることができるのです。

状況の力を通して「だれもが勇気ある
善人に変わりうる社会」をつくること
ができるのは、我々の希望でも
あります。

 

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