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次へ進むための判断基準をつくる

仕事のアウトプットが正しいものに なるかどうかを大きく左右するもの。

 

それは、「プロセス/手順」の一つ ひとつが、確実に正しく実行されて いくかどうかです。

 

意思決定を行うための情報の優先順位、 次の、「プロセス/手順」に進んで よいかがわかる「判断基準」を 決めることが求められてきます。

 

これは業務によって、大きく異なり ます。

 

「判断基準」の例としてわかりやすい のは、パスポートの申請用写真では ないでしょうか。

 

外務省のウェブサイトを見れば、 詳細な「判断基準」が書かれて います。

 

読む人によって理解の仕方が異なる ことがない、明快な「判断基準」 となっています。

 

工場の生産現場できわめてシビアで 細かな作業の積み重ねを見てきた 技術屋の目から見ると、スタッフ 部門は仕事の進め方がどうにも 大ざっぱ、というのが正直な印象 でした。

 

そしてそれは、しっかりとした 「判断基準」が作られていないから ではないか、と感じていました。

 

また、情報材料ばかり集めて、 「判断基準」が決められない、という ケースもよくありました。

 

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とにかく準備ばかりに時間がかかる。

 

結局、「これだけ長くみんなの意見を 聞いて検討したんだから、正しい だろう」といった、「判断基準」も はっきりしない中で意思決定が 行われたりします。

 

実際、上司がなかなか意思決定 できないケースがよくあります。

 

部下からの報告を聞いていると心配に なり、ますます情報が欲しく なってくる。

 

あれも欲しい、これも欲しいとなる。

 

判断するためにはさほど重要でない ことまで、果てしなく聞きたくなって しまいます。

 

これもまた時間がかかり、スピードを 大きく阻害する原因になります。

 

部下は本来、調べなくてもいいような ことまで調べさせられて、生産性を 大きく損なったりする。

 

結果的にその情報は使われず、 モチベーションも下がっていきます。

 

そもそも、意思決定の目的は 「お客さまのため」です。

 

それがどこかに飛んでいって、自分の 興味のあるもの、組織にとって関心の あるものが気になりだす。

 

上司のため、会社のため、などという 考えが強くなっていくと、おかしな ことが起きます。

 

本来は、そんなことは放って おいていい、 ということまで気になり、中途半端 な仕事になってしまいます。

 

上司が腹を決めて決断するためにも、 「判断基準」は必要なのです。

 

そして、これがはっきりしていれば、 多くの人に判断ができるように なります。

 

上司は部下に権限を委譲して、自分は 別の新たな仕事に挑めるように なります。

 

 

参考文献:現場からオフィスまで、 全社で展開するトヨタの自工程完結 佐々木 眞一 (著)   ダイヤモンド社 刊