愉快な人生を生きるために~知識を知恵に~

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「有能さ」に知識の量は関係がない

”知識のある人は すべてについて 知識があるとは限らない。 だが、 有能な人は、 すべてについて有能 である。 無知にかけてさえも有能 である。”

 

これは16世紀フランスの哲学者、 ミシェル・ド・モンテーニュの 『エセー』からの一節です。

 

ちなみに本作は随筆、つまり現在 「エッセイ」と呼ばれている、自分の 考えや身近なできごとを散文調で書く スタイル、文学ジャンルの先駆と なった名著です。

 

そして『エセー』という著作自体が、 いろいろな名言、警句の宝庫になって います。

 

まず注目すべきは、「知識のある人は すべてについて知識があるとは 限らない」という部分です。

 

これは“そのまま”の真理であり、 まったく当たり前のことです。

 

たとえば「あの人はなんでもよく知って いる」といっても、ほとんどの場合は、 その人が話題の主導権を握り、自分の 知っていることをしゃべっているに すぎないというわけです。

 

もちろん、誰もが驚嘆するほど知識量 の多い人もいるでしょうが、そんな人 でもやはり「すべてにおいて知識がある とは限らない」ものです。

 

いいかえれば、その点において、 だまされてはいけないということです。

いわば「知識」とは相対的なものであり、 場所や条件、お題やジャンル、話す人 が置かれている立場などによって 簡単に価値変動するものです。

 

たとえば、ある集まりの場で、ある テーマについてしゃべっているとき、 自分があまりに無知で恥ずかしい思いを したとします。

 

しかしそんなときも、必要以上に ショックを受ける必要はないのです。

 

なぜなら人は、それぞれ「違うこと」を 知っているだけだから。

 

「このカラクリは覚えておいたほうが いい」ということです。

 

「有能」とは、たとえばひとつの話題を 振られたときに、「その話題をどう 広げるか」ということに関わってくる ものです。

 

それは、「知識」の量とは基本的に関係が ないわけです。

 

参考文献:『生きるのが “ふっ" と 楽になる 13の言葉』(名越康文著、朝日新聞出版)

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

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