「経営の定石」を活かすには、正確な状況把握が不可欠
「経営の定石」をうまく使いこなすには、組織の「インテリ ジェンス機能」が不可欠だと繰り返し主張します。
インテリジェンス機能とは、さまざまな情報をそろえて経営 者に提示する機能です。
それによって、偏りや見落としのない最良の経営判断ができ ます。
それらの情報は雑多なデータの寄せ集めではいけない。
社内外の事実や状況、関係者たちの意図や思惑などを複数ソ ースからクロスチェックをかけながら収集する。
そしてそれらから導き出される客観的な予測などの論理的な 分析を加えたものでなければならない。
このようなインテリジェンス機能が、経営企画部門などを中 心にしっかりと構築されていることで、経営者は定石を的確 に使ったマネジメントができます。
正確な情報に立脚した状況判断ができなければ、経営はうま くいかないに違いない。
「選択と集中」でいえば、インテリジェンス機能がなければ 、自社がこれから将来にわたって絶対優位を保てる事業領域 を「選択」できないだろうし、どんなリソースをどのくらい 「集中」すべきかの判断もできない。
囲碁の世界には、「定石を覚えて二目弱くなり」という言葉 があります。
定石というものはただそのまま使えば強くなるというもので はありません。
その時々の状況に関する的確な情報を踏まえ、あくまで自分 の頭で考えて次の打ち手を決めるベースとして活用すべきも のということです。
参考文献：『「経営の定石」の失敗学』小林 忍 著
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