愉快な人生を生きるために~知識を知恵に~

経営や仕事への取り組み・社会心理学・生活の智慧に関する考え方、思い、提言をお伝えします

自分で優先順位を決められなければ、他人の言いなりになるしかない。

自分が仕事にどのように向き合っている だろうかと振り返ってみると、 大小様々な仕事に対して、 「やらなくては」 「どれも大事だ」 「全部こなすことは出来ないだろうか」 と考えてしまっているように思えます。

また、仕事を頼まれると 「やります!」と反射的に答えていた 自分がいました。

その結果として、時間が無くなり、 期日が迫ったものからこなしていき、 アウトプットが中途半端なものに なってしまいました。

このような循環に陥っている場合は、 働きすぎているのに成果がでない、 どうでもいい作業に追われて仕事が できない、というストレスを感じて いることが多いと思われます。

さらに、考えることに時間を割けておらず、 思考停止の状態に陥ってしまっている ことも間々あります。 20150620_blog1_featured_workspace-thumb-640x360-49698

グレッグ・マキューンの著作 『エッセンシャル思考』を読むと その極意は、シンプルであること。 それは「より少なく、しかしより良く」 を追求する考え方であり、実践する ための見極める技術、捨てる技術、 仕組み化の技術が、わかりやすく 述べられていると感じます。 最初で述べたような仕事への 向き合い方は、非エッセンシャル思考 の人が陥りがちな考え方であると いっています。

では、エッセンシャル思考の人は どう考えるのか。

まず、「これをやろう」 「大事なことは少ない」 「何を捨てるべきか?」を考える。

その上で、 「本当に重要なことを見定める」 「大事なこと以外は断る」 「あらかじめ障害を取り除く」と いう行動を取ります。

結果として、やるべき仕事に 自分の力を注ぐことができ、重要な 仕事で最大の成果を上げられると いう論旨には、納得・同意できます。

言葉にすると簡単ではあるが、仕事が できる人であっても、 このエッセンシャル思考を実践する のは難しいことです。

できるが故に、「やらなくては」と 思うことや「やってください」という 頼まれごとが増え、 結果的に自分の 判断で仕事をコントロールし難く なります。

いつの間にか、自分で判断すること を放棄して、誰かの言いなりで仕事を こなしてしまうのが陥りやすいところ です。 エッセンシャル思考の効果は、仕事の 効率化だけに留まりません。

考える余裕を生み出すことは、考えて 判断を下すことに繋がります。

そしてこれは、自分で自分の時間や 人生をコントロールすることへと 繋がっていきます。 本書に出てくる 「選ぶ能力はだれにも奪えない。 ただ、本人が手放してしまうだけだ」 という一文は示唆に富んでいます。

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時間や膨大な作業に追われていると、 よく考えることなく、示された 選択肢の中から判断を下しがちです。

しかし、仕事においてもキャリアに おいても、私たちは選択肢のなか から「選ばないことを選ぶ」ことも、 本来は可能です。

「自分のための時間を確保することで、 人生の主導権を取り戻せる」。 これがエッセンシャル思考の最大の 効用なのかもしれません。