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ロジカルシンキングの基本(第7回):組織による問題解決その3-思考プロセス・姿勢

実際に問題解決を行うのは「人」 であり、組織メンバーに 「問題に対して怯まない意識・姿勢」 と「問題解決の考え方・手法」が 埋め込まれていることが 求められます。

【問題解決の思考プロセスを組織に 埋め込む】 商品の差別化や戦略の賞味期限が 短くなってきている中では、 企業間の優劣を決めるのが、 組織全体の「問題解決 能力の質×量×スピードの標準レベル がどれくらい高いか?」に絞られて きます。

そこで重要なのが、「問題解決の 思考プロセス自体をできるだけ 標準化し、組織メンバーが共有 すること」です。 「あるべき問いを示して考えさせる」 うえで、最も効果があるのは、 「問い」自体をテンプレートにして、 日常の報告・相談のフォーマットに してしまうこと、 つまり「問いを標準化すること」です。

その際、指導する人間に必要なのが ファシリテーション・スキル」です。 相手の考えを引き出し、問いによって 相手に気づきを与え、考えるべき ポイントに適切に思考を誘導する力、 相手が言っていることの裏に隠れた 前提や思考の枠組みを読み解き、 そこに適切な刺激を与えられる深い 理解力が求められます。

これを身につけることは容易では ないが、「自分が決め、指示し、 実行させる」スタイルから 「引き出し、決めさせ、自ら問題解決 させる」リーダーシップスタイルを 実現するうえで大きな武器になる はずです。

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【まとめ:「問題がある状態」を 「問題」にしない】

組織において問題解決を行ううえで、 全ての根本として押さえなければ ならない点。

それは「問題」そして「人」に 対する基本的な姿勢です。

我々は「問題が発生すること」を 嫌悪し、また「問題が表に出ること」 を避けようとします。

その根底には、「自分は間違っては いけない、常に完璧であらねば ならない」という過度の潔癖主義や 自分への過信があるからです。

人間はミスや間違いをするものであり、 一定の確率でミスや間違いを起こす ことを前提として、それをいかに 早く発見するか? いかに被害を拡大させないように するか?を考えることです。 そして、問題の原因を人に帰着させ ない思考習慣をつけること。

最後に、現状に満足しない貪欲さが 必要です。 たとえ根拠がなくとも、 「人の可能性」を信じることが できるか。

そして「人への信頼」をメンバー 相互にどれだけ持ち合えているか。 その強固さが最終的には組織全体の 問題解決力を向上させる源泉に なると思います。

「メンバーが相互に信頼できる 姿勢をつくるのには何が重要か?」と いうことを、「情報公開」「プロセス」 「価値観」「対話」「自信」などの キーワードと一緒に考え、検討して いくことが重要であると 思います。