愉快な人生を生きるために~知識を知恵に~

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ソーシャルメディアで『自分語り』をするのは快感…?!

「受信力」とか、「アクティブ リスニング」とか、「人の話を聞く ことがコミュニケーションの基本」 といったことを言いながらも自分の 話をとうとうとしてしまうのもまま あることです。

確かに、フェイスブックなどを 見ても、 「こんなおいしいものを食べた」とか 「どこそこに行った」とかという、 「自分話」であふれています。

なぜ、人は黙っていられないのか、 自分の話をしたがるのか。

・自分のことを話すのはセックスなど と同じ快楽 ハーバード大学の神経学者が 「自分のことを話すとき、それが会話 であろうと、ソーシャルメディア上で あろうと、人はお金や食べ物、 セックスと同じような快楽を感じる」。 と研究論文で発表しています。

自分のことを話している時、脳内の 側坐核、さらに、腹側被蓋野と 呼ばれる領域の動きが活発化するのが 確認されたとのこと。 これらの領域は、神経伝達物質ドーパミン放出に関係があるとされる 箇所で、ドーパミンは快楽物質とも 呼ばれ、食事やセックス、お金等の 報酬やドラッグによって分泌される ものです。

別の調査によれば、自分の話ではなく、 他人の話をすることで、報酬が 得られると分かっていても、多くの人は それを犠牲にして、自分の話を するそうです。 ・生存本能に基づいた欲求? 自分の胸の内を話すという行為は、 相手の共感を呼び、好意度を上げる。 自分をさらけ出すことで、人との 新たな絆を作ることは、その人の 物理的生存の可能性を高めることに なります。 話すことによって、自分の中の考え を整理し、自らを成長させるだけ ではなく、個の記憶や知恵を共有し、 保存していくというメカニズムも 果たしていたと考えられます。

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・「しゃべりすぎ」への三つの ステップ ① バランスステージ 相手との会話がキャッチボールの ようにうまくいっている。

相手の話を良く聞き、話題も共通 のもので、お互いがよく理解し、 バランスの取れた状態。

② いい気持ちステージ 話していて、だんだんと気持ちよく なり、ついつい自分の話を長々と していたりする。 相手の興味が離れていくのに 気づかない状態。

③ 暴走ステージ 相手の関心が離れていることに 気づき、それを取り戻そうと、 さらにしゃべり続けてしまう 泥沼状態。

一方、「よく聞く男」「よく聞く女」 はモテます。

カラオケで、上手に合いの手を 入れたり、手拍子を入れたりして、 歌い手をいい気分にさせる盛り上げ 係のようなもの。

自分にうまくスポットライトを 当ててくれ、主人公に仕立て上げて くれる人を悪く思う人はいません。 【まとめ】 ・よりより聞き手になる 3つのポイント ① 質問をする アメリカの教育の中で、日本との 大きな違いは、「正解」が与えられ ないことではないかと感じます。

日本であれば、年号や歴史的事実、 方程式などの「正解」が教師から まず与えられ、それを覚えることが 教育とされています。

一方、アメリカでは、教師は 「答え」を与えるのではなく、常に 「質問」をします。 日本では、たとえば、部下と上司の 会話では、上司は部下に自分の 「答え」を押し付けようとすることが 多いと思います。

「こうするべき」といったアドバイス は時に役立つが、実は答えは自分の中 にある場合も多いと思います。

上司の適切な質問によって、部下が 自分の中にある考えを整理し、 自分なりに正解を導きだすことも できます。

相手の立場にたって、気づきを 与えられるような質問をする――。

「質問力」はコミュニケーション リーダーの必須スキルです。

② 沈黙を恐れない

「沈黙の間(ま)」を恐れて、 次から次へと質問をし続ける。 ちょっとでも間をあけると、 「何を話していいのかわかっていない のではないか」「話の内容を理解して いないのではないか」などと思われて しまうと考え、つい、沈黙を埋めて しまいます。

しかし、実は沈黙こそが、相手から 本音を引き出すチャンスです。

3~5秒ほど、あえて空白の時を 設けて、反応をうかがうことで、 相手は言い足りないことを思い出し たり、付け足すこともできます。 また、交渉の場でも、沈黙は相手に 心理的なプレッシャーを与えます。

間を埋めたいという誘惑に勝つのは 簡単ではないが、沈黙がもたらす メリットは少なくないです。 ③ 相手のサインを読む 相手の気持ちを読むのは難しいが、 自分の話に対する興味がない、 薄れている、といったことが 態度に現れる場合もあります。 相手がスマホをいじり始めたり、 目線が合わなくなったり、そわそわ したり、そんな小さなサインを 見逃さず、質問をしたり、相手が 話す機会を作りたいものです。