愉快な人生を生きるために~知識を知恵に~

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すぐに怒る人とそうでない人はどこが違うのか?

私たちの心を容器だと考えてみて ください。 (これを「心的容器」と言います) 心に湧いてきた感情は、一旦この容器 に入るのですが、この容器の大きさが 十分でないと湧いてきた感情はすぐに 外にあふれ出ます。

ノブ横地

たとえば、悲しみや不安や怖れなどの 感情が湧いてきたとき、心の容器が 大きければ、それらの感情を容器の中 にキープし、しっかり感じて味わう ことができます。

そして、十分に感じて味わうと、感情は 次第に解放されて、心が落ち着いて きます。 このように、心の容器の器が 大きければ、自分の感情を自分で 何とかできるわけです。

しかし、心の容器の大きさが十分で ない場合、抱えきれない感情 (悲しみ、不安、怖れなど)が容器 から、外にあふれ出るのです。

このとき、子どもだったら、悲しみや 不安や怖れなどの感情が、そのままの 感情としてあふれ出ることが多いの ですが、大人の場合は、 悲しみや不安や怖れなどの感情を、 無意識のうちに、「怒り」という 感情にすり替えて外に出すことが多い のです。

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一般的に大人の場合、 悲しみや不安や怖れなどの、自分の 弱さを表す感情を抑圧することが習慣 になっているため、それらの感情は 怒りという第二の感情にすり替わって 表出されるのです。 たとえば、 相手がこちらの思いどおりにならない ときや、こちらの期待に反する行動を したときなどに、私たちの心の中に 最初に湧いてくる感情は「がっかり」 や「残念」や「不安」などです。

しかし、それをそのまま表に出すと、 自分の弱さを開示することになるし、 その上で相手に拒否されると、とても 傷つきます。 そこで、怒りという攻撃的な第二感情 にすり替えて、表に出すのです。 (このプロセスは、無意識のうちに 行われます)

また、相手が自分にとって身近な人 であるほど、私たちは相手に対して 期待を持っているので、相手が思い どおりにならないときの「がっかり」 や「残念」や「不安」も大きく、 あふれ出やすくなります。

だから、相手が身近な人であるほど、 私たちはイライラしてしまったり、 怒りをぶつけたりしてしまいがちに なります。

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怒り(=第二感情)を相手にぶつける のではなく、最初に湧いてきた感情 を自分の中でちゃんと抱えて、 十分に感じて味わえるようになる ためには、心の容器を大きくしっかり したものに育てていく必要があります。 心の土台づくりに取り組み、人間と しての基盤を確立していく必要が あると思います。