愉快な人生を生きるために~知識を知恵に~

経営や仕事への取り組み・社会心理学・生活の智慧に関する考え方、思い、提言をお伝えします

他社の成長を助けることで、自社も成長する

ユーザー数140万人、年間売上高400万 ドルを誇るソーシャルメディアサービス のバッファー(Buffer)は、便利な 製品と優れた顧客サービスを提供する ことで成長してきました。

しかしその真の強さと成長力は、より 根本的なものに支えられています。

すなわち、「生成的(generative)」 であろうとする信念です。 バッファーは、 企業のソーシャルメディア活動の 管理や分析をサポートするツールを 開発。

同社のビジネス慣行は透明性を基盤 とし、自社のオペレーションや知識、 パフォーマンスに関する情報を常に 公開しています。 多くの企業が社外秘にするような 情報を積極的に公開することで、 他社に新たなビジネスのやり方を 促しています。 そのビジネス慣行、外部との関係性、 ビジネスモデルは、自社の成長が ステークホルダーの成長にもつながる ように設計されています。

・生成的な企業には3つの主な特徴 1.その業務プロセスは、当該事業の 成長を目指しながらも外部にノウハウ を公開するよう意図されている。 他の事業者はそれらを基に学習や実験、 挑戦ができる。

2.自社とステークホルダーの間、 またはステークホルダー同士で 相互扶助が行われるエコシステムを 築いている。 このネットワークで生じるさまざま な交流が、グループ全体に恩恵を もたらす。

3.経済的価値に加え、社会的価値 を生み出す。 たとえば有益なコミュニティの構築、 表現や学習の促進といった、営利を 目的としない社会的意義の追求。

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・生成的な企業のビジネスモデル 1.知識の共有 自社の事業成長のみならず、他の 事業者にも機会を与えようという 意図の下に業務プロセスを構築 している。 収益や業績評価指標、各種分析に 関するデータの公開により、他の 事業者はその情報を見ながら、 自社の成長や指標の有用性を評価 したり、学習経験を自分たちの 事業に応用。 2.互恵的なエコシステムの構築 生成的な企業はステークホルダー との間に互恵的な関係を築き、 ネットワーク全体に価値が 生まれるようにする。 個々の取引からの利益を積み重ね ようとするのではなく、 ステークホルダー同士が助け合い、 エコシステム全体が成長するよう 積極的に働きかけている。 3.社会的価値と経済的価値の 創造 経済的価値と社会的価値の両方を 創造するように設計されている。 小規模事業者に資金を融資する コミュニティ・ ソースト・ キャピタル(CSC)は、大勢の 投資家から小口の投資金を集め、 通常の融資制度を利用できない 事業者に資金を提供して経済的 価値を創造している。 同時に、投資家と借り手の関係が コミュニティの絆を強化する 仕組みになっている。

【まとめ】 人々が非公式に情報交換し、 学び合い、自分の アイデアを試し、 励まし合える。予期せぬ出会いが、 セレンディピティ(思いがけない 幸運な発見)とコラボレーションを 誘発するようになっている。

生成的なビジネス手法は、企業の 社会的責任(CSR)や社会起業、 共通価値の戦略(CSV)などの核と なるべきものです。

この手法は、企業が「恩送り」 (恩を受けたら、他の誰かに恩を 送ること)の姿勢を持ち、ネット ワークの中で寛大な存在になるよう 促している。

衝突を抑制し、学習を促進し、 ステークホルダーと共に価値創造の 幅を広げている。 こうした取り組みにより、企業は 自社の成長のみ ならず、ビジネス のパイ全体の成長に貢献できている と思います。