愉快な人生を生きるために~知識を知恵に~

経営や仕事への取り組み・社会心理学・生活の智慧に関する考え方、思い、提言をお伝えします

段取り8分の意味:トヨタの段取りから学ぶ

「仕事は段取りが8割」と言われる ように、仕事で高い成果をあげる には段取りが欠かせません。

一般的にはスピードアップや計画通り に進むと いう効果がありますが、 「トヨタの段取り」には付加価値が 高まりベストタイミングで仕事が完了 することや質が高まるという効果も あります。

よりよい段取りの技術を身に付ける ことは、とても大きなアドバンテージ になります。

・花見は究極の段取り 今の季節は秋ですが、花見の幹事を 引き受けたとします。

花見を成功させるために、どんな 段取りを組むか。

開催日時を決定し、参加者を募り、 開催場所を確保する。

恐らく、ここまではスムーズに 思いつきます。

当日の場所取りやお酒・食事の 手配やその役割 分担まで、考えが 及ぶ方もいるかもしれません。

しかし当日、突然の雨や駐車場の 混雑が発生する可能性もあります。

雨天の際の飲食店の手配や、臨時 駐車場の確認も必要かも しれません。

このような想定外の状況も予想 して、さまざまな前準備をして おくことが必要です。

さて、ここまでやっていれば、 十分か。

完璧にさえ見えるこの流れ、実は 最も大事なことが最初に大きく 抜けています。

それは、目的の確認です。

桜を見ることが目的であれば開花 時期や天気次第では日程変更も 選択肢のひとつですし、 新入社員の歓迎が目的であれば 花見に限らずに居酒屋でもいいかも しれません。

このように、目的次第で考えるべき 項目が大きく変わってきます。

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多くの方が段取りを考える時に 「How(どうやるのか=手段)」 から考えがち ですが、最初に 注目すべきは 「Why(なぜやるのか=目的)」。 目的を明確にしてから、具体的な 手段を考える のが本来の流れです。

「目的」に寄与しない仕事、 わかりやすくいうと「やりすぎ」 です。

たとえば、顧客の声をすべて 取り入れて機能が高度化・細分化 された電子機器などもその例です。

当初は顧客の声に応えたいと 始まった機能性アップではある ものの、そこまで対応する必要は なかったのかもしれません。

・見た目のよさは必要か? プレゼン資料を作成する際、 レイアウトやアニメ ーションに こだわる人は少なくありません。

見た目がよければ内容以上に相手に よい印象を与えるという側面は事実 ですが、見た目を良くするには それなりの時間が必要です。

重役が多く列席する重要顧客での 最終プレゼンのような場面では、 内容の良さは当然の要素であり、 見た目が与える印象の良し悪しが 最終結論を左右する可能性も あります。

このような場面では、見た目も 重視すべき要素かもしれません。

しかし社内の関係者限定の資料で あれば、要点を整理したシンプル な内容で十分です。

見た目をよくするために、ほかの 業務にかける時間まで削って 大きな工数をかけることは 「加工のムダ」です。 また、打合せの議事録の場合。 社外の重要なお客様向けであれば、 完成度と納期がバランスよく 求められます。

どんなに早く送付したとしても、 初めてお会いした役職の高い方向け であれば、一定の見た目や内容の 網羅感が求められます。

一方で、社内の関係者限定向けで あれば、内容の完成度よりも 納期重視であること。

細かい点はよいので重要ポイント のみを箇条書きで書いてあるもの を、会議終了後なるべく早く共有 することのほうが評価されます。

このように、 「この仕事は何のためにやるのか」 「何をいちばん重視すべきなのか」 を確認する ことが、 「加工のムダ(=やりすぎ)」を 防ぐことができます。