組織にいても、実質的には自営業
今日の労働市場においては、資格を 持った勤勉な人であったとしても、 生涯にわたる仕事と給与を保証される ことはありません。
これまでは“安泰”だといわれてきた 仕事が、そうではなくなっていると いうこと。
定職について安定した収入があったと しても、働くうえでなにが起ころうと すべてを引き受けるのは自分です。
そういう意味で、「組織内にいる人も 実質的には自営業」だといえます。
だとすれば重要なのは、常にスキルを 磨き、周囲に目を光らせること。
このことについての理由は、現在の 地位を守るため、そして昇進の手段と して有効な方法です。
だからこそ、会社をつくらなくても 起業家にはなれます。
普通の企業や組織のなかでも、 起業家精神を発揮することは可能だと いうこと。
そしてそのコツは、自分の興味が追求 できて、実際の自営業者のように 積極的に新しいことに取り組める ポストをつくり出してしまうことです。
そのため、すべては「自分が雇い主に とってなくてはならない存在になれるか どうか」にかかっています。
もちろん、必要とされる存在になる のは容易ではありませんが、 次の4つの戦略を実行すれば、いずれ 実現できると考えます。
戦略1. グループ全体の業務を予定 どおり進ませる
会議中、誰が仕切っているのか よくわからないようなときには、 出席者のリーダーシップのスキルを 見きわめることが大切です。
ただしその目的は、仕事を進め、 出席者を上手に導くこと。
そのため主導権を握ったとしても、 支配してはいけません。
質問をして、グループのための作業を 進んで引き受けるようにすべきです。
どこの職場にも、ずば抜けて仕事が できる人間がいます。
そういう人は自分の仕事を早く 終わらせるだけではなく、助けが必要 な人にはいつでも手を貸そうと考えて います。
「仕事は忙しい人間に頼め」といわれます。
だからこそ、「なくてはならない人」 になるためには、 「仕事のできる忙しい人」になるべきです。
戦略2. 職場では悪習を慎む 当然のことながら、“勤務時間”の すべてが生産的なわけではありません。
それどころか実際、仕事の時間の 多くは非生産的なものだともいえる でしょう。
非生産的な作業を完全になくすのは 困難だし、日常の業務や会議に一定の 遅れが生じるのは避けられないこと でもあります。
しかし、非生産的な仕事の多くは、 「本当は少しも役に立たないのに、 自分の評価を高めるために作業をする」 という悪習の結果から生じているもの。
そこで大切なのは、できる限り この悪習を阻止することです。
戦略3. 本来の仕事とは無関係でも、 組織の大きな目標達成に貢献する
組織は大きくなればなるほど、 たくさんの役割に分かれていきます。
なかには収益を上げることや、 その他の明確な目標に直接関与しない ものもあるでしょう。
そんななか、もしも自分が縁の下の 力持ちで重要な役割を果たしている のなら、それ以上の働きをする方法を 見つけるべきです。
単に「熱心に仕事をしろ」ということ ではなく、利益を生み出すか、自分の 仕事を組織のさらなる成功に結び つける方法を見つけるということです。
戦略4. あなたの仕事が時代遅れになる 危険があるなら、しがみつかずに 転職すべし！
もし会社に満足しているなら、 どんどん時代遅れになるこの商品を 自分の手で生き返らせるか、あるいは、 せめてこの商品がもっと時代にあった 方向へ転換できるようにする方法を 考えるべきです。
どのような業界にいたとしても、 誰に雇われていたとしても、このように 自問して、 「ポジティブな変化を促すために自分 にはなにができるか」を考えなくては なりません。
参考文献：『その仕事でいいのかい？』 （クリス・ギレボー著、甲田裕子訳、TAC出版）
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