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ロジカルシンキングの基本(第2回):「問題を明確化」する・問題の共有化

「何が問題かを明確にする(=What)」 ステップ 例えば「部門間のコミュニケーション が悪い」という悩みは、どの組織にも あると思われます。

しかし多くの場合、「それは、あまり 良いことではない」と認識されつつも、 解決に向けたアクションには至りません。

なぜこうしたことが起きるのか? 「そもそも問題自体が明確になって いない」ことから生じています。

【理想状態と現状の差分から具体的な 問題点を抽出する】 では、どのようにすれば 「漠然とした悩み」は 「考えられる問題」となるのか。

誰が実際に困っていて、誰は困って いないのか。 困っている人は何についてどのくらい 困っているのかを具体的に考えてみる。

問題を明確にするために、すべきこと は大きく2つあります。 1つは、「どのような状態になれば 良いのか」という理想の状態を、 具体的に定義することです。

理想状態は「あるべき姿」 「ありたい姿」「ビジョン」「目的」 など色々な形で表現されますが、 言葉は何でも構わない。

要するに、どうなると嬉しいのか、 不満がなくなるかを、定義する。 2つ目は、その理想状態から見て 現状がどうなっているか」を、 なるべく具体的にチェックすること。 これによって、理想と現実で特に ギャップのあるのがどの部分で あるのかが、絞り込まれる。

その絞り込んだ先こそが、「問題」の 本質です。

恐竜

【具体的に検討することで問題を組織 全体のもの として共有する】 ここでポイントとなるのが、再三、 用いている「具体的に」と いうキーワードです。

ものごとを具体化するのは頭で考えて いるよりも、難しい。

どのようにしてよいか迷ったら、 まずは「5W1H」に要素分解して考えて みる。

また、数値化できる部分はなるべく 数値化して定量することも有効です。

「誰が」「何について」「どのくらい」 困って いるのか。

また、困っている内容を具体化して いくと、それはスピードやタイミングの 問題であったり、情報の精度であったり、 あるいは量であったりと、 「問題であると感じているが実は 問題ではないこと」が精査され、 「本当に問題なのは何か」が、 よりクリアに浮かび上がってきます。 ある提案を行う場合、「それは、本当に 重要な問題なのか」という点で組織内の 認識をすり合わせることは、極めて 難しい。

それが問題なのか否かという、出発点 以前のところで議論が紛糾してしまう と、話はまるで前に進まなくなります。

また仮に前に進んだとしても、 部下や関係者に「なぜそれをやるべき なのか」を腹に落ちるまで納得して もらい、「それは自分が解決すべき 問題だ」と当事者意識を持って もらわなければ、組織全体としての 実行力は導き出せません。

目的意識がズレれば、不測の事態での 対応を誤り、的外れな方向に進んでしまう ことにもなります。

つまり、問題を具体的にする(できれば 定量化する)ことで、組織に関わる 全ての人の間で意識をすり合わせ、 同じ方向に進みやすくすることが 可能となります。