愉快な人生を生きるために~知識を知恵に~

経営や仕事への取り組み・社会心理学・生活の智慧に関する考え方、思い、提言をお伝えします

ホワイトカラーは生産性向上の意識が低い

仕事をしている人は誰しも、間違った ことをして叱られたり、ミスを出し たり、やり直しをしたりは、したく ないと思います。

だから、そういうことはしないぞ、 と自分に言い聞かせて、仕事に取り 組んでいます。

やってはいけない、起こしては いけない、といった単なる「心がけ」 ではうまくいかないということです。

思っているだけでは、結果に結び ついていかない。 「心がけ」だけではダメなのです。 そもそも仕事の進め方に問題がある、 ということなのです。

「心がけ」ではなく、もっと科学的 に仕事の進め方を捉えること。 ミスをなくしたり、やり直しをしなく ても済むアプローチをするという ことです。

それが、「自工程完結」です。

自動車産業の競争は熾烈です。

日本の現場は労務費が世界に比べて 高いという現実があります。

エネルギーコストも安くない。

そんな中で、どうやって生産性を 上げていくか。

トヨタは、現場で「カイゼン」を 徹底的に推し進め、省人化や省エネ 技術の開発に必死で取り組むなど、 生産性向上に挑んでいます。

スタッフ部門、いわゆるホワイト カラーの部門には、生産性向上目標 はありません。 だからでしょうか、生産性に対する 意識がきわめて低いのです。

いつも自分の上司にお伺いを立てて 仕事をしないといけない。

だから、部下にも自分の上司を意識 した仕事を求める。

あのデータも欲しい、このデータも 欲しいと、本当はそれほど必要ない データまで求めます。

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いつも質問攻めで、何か持っていくと、 「これも作っておいてくれ」と仕事が 一つ増えたりする。

いつまで経っても、結論が出ない。

これだけの情報があれば意思決定 できる、という「前提」が共有されて いないのです。

だから、時間がかかってしまう。

日本では、とにかく情報の共有化が できていません。

言葉を換えれば、どの仕事がどの程度 のレベルで行われるべきなのか、 標準が共有されていないのです。

誰がどんな知識を持っているのかも、 共有されていません。 日本のスタッフ部門には、暗黙知が たくさんあります。

「あの人にしかできない」が価値に なっている。

いや、価値にしようとしているのかも しれません。

その仕事は自分にしかできない、 というものを作ろうとしてしまう空気 があると思います。

みんな無駄なことはしていない つもりです。

しかし、それは「やっているつもり」 になってしまっているだけだ、 ということに気づく必要があります。

それは、単なる「心がけ」。 「やろうと思っている」で終わって しまっている。

実はたくさんの無駄が、潜んでいると 思います。