愉快な人生を生きるために~知識を知恵に~

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漠然とした「悩み」を考えられる明確な「問題」にする

「何が問題かを明確にする(=What)」 ステップ 例えば「部門間のコミュニケーション が悪い」という悩みは、どの組織にも あると思われます。

しかし多くの場合、 「それは、あまり良いことではない」と 認識されつつも、解決に向けた アクションには至らない。

なぜこうしたことが起きるのか? 「そもそも問題自体が明確になって いない」ことから生じています。 【理想状態と現状の差分から具体的 な問題点を抽出する】

では、どのようにすれば 「漠然とした悩み」は 「考えられる問題」となるのか。

誰が実際に困っていて、誰は困って いないのか。 困っている人は何について どのくらい困っているのかを具体的に 考えてみます。

問題を明確にするために、すべきこと は大きく2つあります。 1つは、「どのような状態になれば 良いのか」という理想の状態を、 具体的に定義することです。 理想状態は「あるべき姿」 「ありたい姿」「ビジョン」「目的」 など色々な形で表現されますが、 言葉は何でも構わない。

要するに、どうなると嬉しいのか、 不満がなくなるかを、定義する。 2つ目は、その理想状態から見て 「現状がどうなっているか」を、 なるべく具体的にチェックすること。 これによって、理想と現実で特に ギャップのあるのがどの部分で あるのかが、絞り込まれます。

その絞り込んだ先こそが、「問題」の 本質です。

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【具体的に検討することで問題を 組織全体のものとして共有する】 ここでポイントとなるのが、再三、 用いている「具体的に」という キーワードです。

ものごとを具体化するのは頭で 考えているよりも、難しい。

どのようにしてよいか迷ったら、 まずは「5W1H」に要素分解して 考えてみる。

また、数値化できる部分はなるべく 数値化して定量することも有効です。

「誰が」「何について」 「どのくらい」困っているのか。

また、困っている内容を具体化して いくと、それはスピードやタイミング の問題であったり、情報の精度で あったり、あるいは量であったりと、 「問題であると感じているが実は 問題ではないこと」が精査され、 「本当に問題なのは何か」が、 よりクリアに浮かび上がってきます。 ある提案を行う場合、 「それは、本当に重要な問題なのか」 という点で組織内の認識をすり合わ せることは、極めて難しい。

それが問題なのか否かという、 出発点以前のところで議論が紛糾 してしまうと、話はまるで前に 進まなくなります。

また仮に前に進んだとしても、 部下や関係者に「なぜそれをやるべき なのか」を腹に落ちるまで納得して もらい、「それは自分が解決すべき 問題だ」と当事者意識を持って もらわなければ、組織全体としての 実行力は導き出せません。

目的意識がズレれば、不測の事態での 対応を誤り、的外れな方向に進んで しまうことにもなります。

つまり、問題を具体的にする (できれば定量化する)ことで、 組織に関わる全ての人の間で意識を すり合わせ、同じ方向に進みやすく することが可能となります。 次回はこれを踏まえ、問題の本質が どこにあるか(Where)を特定する 方法論について検討します。