「できない自分」を受け入れると不安や恐れは消える
みんなどこかに一抹の不安を抱えているものです。
自分を強く信じていても、他人から批判されると
気持ちがめげてしまう。
失敗が重なれば自信が揺らぎ、それを責められると、
自信がなくなってしまう。
では、その「自信」とは何でしょう。
みなさんがよく使う自信には、「私は何でもできる」
「私はすごい」「絶対にうまくいく」という信念が
込められています。
他者と比較して、自分を優位に立たせた自信です。
禅の世界ではよく、「自信がないといけない」
「自信を持て」と言いますが、これは一般的な自信
とはちょっと違います。
結果はどうなろうとも、今の自分、本当の自分を
信じることなのです。
もっと言えば、「思ったよりできない自分、
たいしたことのない自分を信じていく」という
ことです。
ところが多くの人は自分で「このくらいのことが
できる、こんな実力がある」と、本来のサイズより
大きめの「できる自分」をつくり上げ、それに
とらわれてしまうようです。
すると、実力が自分より高い人と出会えば、
「自分はたいしたことなかった」と落ち込みます。
一方で、今の自分を正確に認められているなら
「ダメだ」と自分を否定することはありませんし、
「今の自分の技量だとこれくらいだろう」と素直に
現実を受け入れられるはずです。
誰でも完璧でいることは不可能ですし、自分の本当の
大きさをわかっていないまま信じることは、
思ったようにいかない時に不安や恐れにつながります。
ただ、自分を受け入れるのです。
海は世界中のどんな川でも受け入れていますが、
それでも海自体は何も変わりません。
そんな海のように大きな心で、今のどんなサイズの
自分も受け入れるのです。
参考文献:忘れる力: 「すっきり」「はっきり」
「ゆったり」 平井 正修 (著)
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